≪着替え介助≫



 

着替えをすることの目的や、実際ケアする場合のポイントを説明します。イラストで着脱の方法についても分かりやすく説明します。

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ネライ: 

毎日衣類を着替える事は、清潔を保ち生活にメリハリをつけます。又、身体を動かさないと衣類の着脱が出来ないので、そこで、リハビリの機会にも成り、気分転換にも役立つのです。高齢者の体系の変化を生理的機能に焦点を当てて、望ましい服を指導し、障害や症状にあわせた衣服、寝間着の選択、及び着脱の工夫、オシャレへの配慮も指導しましょう。

 

 

ケアポイント: 

@ 1日中寝間着で過ごさせず、日中は服に着替えましょう。生活者としての自覚がもてます。

  余談・・・あるAさんは、退職目前で痴呆になり、会社を辞め自宅での生活が始まりました。起きている時は、車椅子を利用しています。朝、ヘルパーが訪問すると、まず、ワイシャツにネクタイ、スーツをきちんと着替えます。『おはようございます。行ってらっしゃい。』と声かけをするとしゃきっとして1日が始まるのです。それから、かばんを持って散歩に車椅子介助です。利用者の顔が生き生きとするんです。

A 要介護者の残存機能を有効に活用し、出来る所は自分で着脱するように指導します。リハビリにも成り、自身にもつながります。急がせず、自分のペースで出来る様見守りましょう(つい手を貸してしまいますが、ぐっとこらえて出来る部分は時間がかかっても見守るようにしましょう。)

B 着脱しやすいように袖や、ズボンの巾がゆったりしていて、身体の動きを妨げないものにします。下着は吸湿性・通気性のよい木綿のもので、着脱がしやすい形のもの、必要に応じて工夫されたものを用意します。マヒがある場合は、前空きのものを、又、かぶるタイプの服でしたら伸縮性のあるゆったりしたものが良いでしょう。 基本的には本人の好みの色や柄、着ていて楽しいものを選ぶと良いでしょう。


どのような服があるの?

色々工夫されたものがありますが、いくつかイラストで紹介させていただきます。

片マヒや手の不自由な人など。簡単にリフォームできます。

アームホールにゆとりが出来、着やすくなります。片マヒの場合は、マチ巾を広く取り、ひじが曲がったままでも袖を通せるようにすると良いでしょう。

作り方:

などなど・・・・・・


C 和装の場合は、左前に合わせ、ひもは立て結びにしないこと。ヘルパーから見てカタカナのソの字になる様に着せます。脱いだ着物は、着物のたたみ方をしましょう。着物のたたみかたと、ジュバンのたたみ方どちらでもらいでしょう。ひもは、五角形にまとめましょう。 旅館やホテルでこのようにしまってありますね。


  余談・・・よだれの出る人には、通称・あぶちゃん(よだれかけ)をするのではなく、誇りを持った中高年の方には、もっとイキにおしゃれなバンダナをくびにまいてあげると、利用者の人格が変わったようにステキになります。ちょっとした介護者のアイデアや、配慮が良い方向になるものです。

 

 

それでは、着替えの方法を説明しましょう:片マヒのある場合

 

絵の灰色部分がマヒしています。

※健側=マヒの無い健康な側

※患側=マヒのある側

前空きの上着を脱ぐ時(片マヒ)

 

@ マヒ側の肩を外します。

A 健側の肩を外して袖を脱ぎます。

B 患側の袖口をひっぱって脱ぎます。

前空きの上着を着替える・・・・・・・・・きる時

@ きる時は、脱ぐ時と逆おくりの順番に近いです。患側の袖をまず通します。手首が通りにくいので、先に手首まで袖を全部通します。

A えりの部分を持って肩までそでを上げます。

B 健側の服を後ろから回し、健側のそでを通します。難しい時は、健側の前身ごろを少し引き袖が通しやすいように介助しましょう。

 

かぶりの上着を脱ぐ時(片マヒ)

 

@ 上着を胸までたくし上げます。

A わきの下から手を入れ、上着のそで・わきの下の部分をひっぱるようにしてひじをぬき、袖口をはずして、健側を脱ぎます。

B 健側から首を抜き、患側の袖をひっぱって脱ぎます。

 

かぶりの上着を着る時(片マヒ)

 

@ 患者側の袖を通します。

A 健側の袖も通します。

B 後ろ身ごろをまとめて持ち、首を通します。

 

ズボンを脱ぐとき(片マヒ)

 

@ ベッド柵につかまって立ち上がり、柵に寄りかかった状態なにり健側の手でズボンをお尻の下まで下ろします。立位が取れない場合は、臀部を浮かし、大

腿部までズボンを下ろします。

A いったんベッドに座ってから、健側の足をずり下ろ して足を抜き、患側のズボンを脱ぎます。

 

ズボンをはくとき(片マヒ)

@      患側からズボンを通します。患側を上に足を組むと通しやすくなります。

 

A 健側にズボンを通し、立ってズボンをきちんとあげます。

 

 

ねたまま着替える場合

 

かぶりの上着を脱ぐとき(寝たきり)

 

寝たきりでも、麻痺が無い人。 

@    上着の前身ごろは胸までたくしあげ、後ろ身ごろは肩甲骨の上まで引き上げる。

A    ヘルパー側のわきの下から手を入れ、上着袖部わきの下をぐっとひっぱりひじをはずし、さらに、袖口をひっぱり片袖を脱ぎます。反対側の袖も同じようにして脱いだら、襟ぐりを大きく広げて、頭を脱ぎます。

 

 

寝たきりでも、麻痺が無い人。

 

寝たきりでも、麻痺がある人。

 

寝たきりでも、麻痺がある人。

 

@ 寝たままでさらに、片マヒがある人の場合は、上記の要領でほぼ一緒ですが、脱がせるときにヘルパーがつく位置を注意しなければなりません。

マヒがある人の場合は必ず健側につきます。

A 健側の袖を脱いだら

B    先に頭を脱がせて

C 患側の袖を脱がせます。

 

 

かぶりの上着を着るとき(寝たきり)

 

 

@ 清潔な上着の首周り(襟ぐり)をぐっと大きく開いて頭を通します。

A 袖の部分は、向かえ手(袖にヘルパーの手を入れ、相手の手首をつかんで袖を通す。)をします。

B もう一方の袖も同じようにして袖を通します。

C 体を少し浮かせるようにして身ごろを下げます。

 

 

注:着せ終わったら両脇・背中にしわが無いことを確認してください。寝たきりの人は、このしわが褥瘡の原因になります。たとえ褥瘡にならなくても、寝ていて痛いです。痛みを感じない人の場合は、もっと怖くて、褥瘡が出来てしまっても本人はわからない場合がありますので、着替えのときは良く観察してください。

もし、褥瘡が発見された場合は、介護支援センターに相談してください。医療関係者に連絡をとり指示を仰いでくれます。ヘルパーは医療行為をすることが出来ませんので、円座やタオルをまるめて患部に当てるなどして応急処置をしましょう。

 

  




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